スペシャルプレビュー


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取り壊し寸前の片倉工業沼津蚕所跡地を撮影したもので、その空気感をモノクロームで表現してみました。
ある撮影の日、それまでの曇り空が一転して、夕方近くまばゆい早春の太陽が降り注いできました。
思わず壊れかけた木の窓から中庭に飛び出すと、そこにはまるで異なるゆるやかな時の流れが存在していました。
工場が稼働を止めてから約12年たった今でも、窓枠や水道の蛇口はかすかに息をしているかのようにも思えました。
人の気はまだそこに存在していたのです。
今回一番嬉しかったことは、かつてここに勤めていた皆さんにお目にかかれたことです。
すでにこの建物は解体されてしまいました。
でもこれらの写真を皆さんの思い出のひとつにしていただけたとしたら、撮影した冥利につきます。

DM



refrexion
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水の余韻
水の余韻

「朝日新聞」2006年4月12日
朝日新聞 2006年4月12日掲載